江戸情緒残る生活描く 京都国立近代美術館
東京・神田生まれの清方は挿絵画家として身を立て、その後日本画家として活躍。浮世絵をベースにした明るい色調の作風が高い評価を得て、昭和29年に文化勲章を受章した。
展示された三部作は「浜町河岸」のほか、「築地明石町」(昭和2年)と「新富町」(同5年)。東京・浜町や明石町、新富町で、踊りの稽古帰りの町娘や傘を差して道を急ぐ芸者、停泊した帆船を背景に物思う表情で振り返る女性の様子をそれぞれ描いた。平成30年まで所在不明となっていたが、個人が所蔵していたことが判明し、東京国立近代美術館に収蔵された。
学芸員の小倉実子(じつこ)さんは「関西で清方の作品を見る機会はなかなかない。この機を逃さずに楽しんでほしい」と話している。7月10日までの午前9時半~午後6時閉館(金曜は午後8時閉館)で、月曜休館。期間中に展示替えを行う。問い合わせは同館(075・761・4111)。