ジェームズ・J・ロビンソンが写し出しすオーストラリアの偽りの歴史へのアンチテーゼ「ON GOLDEN DAYS」展
オーストラリアを代表する写真家であるジェームズ・J・ロビンソンは、ミラノやニューヨークなどのギャラリーやイベントへの招待されることも多く、ニューヨークタイムズ、ヴォーグオーストラリアなどの権威あるメディアでも活躍。さらにヴァージル・アブローやカイリー・ジェンナー、そしてリアーナなど、さまざまなアーティストやクリエイターとコラボレーションも繰り広げ、2021年にはオーストラリアのナショナル・フォトグラフィック・ポートレート賞にノミネートされるなど、世界的に活動を展開してきた。
「ON GOLDEN DAYS」と命名された本展は、オーストラリアで過去にあったアジア人に対する人種差別がテーマ。現代のオーストラリアでは文化的に、この過去に起きた問題を何事もなかったようにしている。しかし、“歴史書から人種差別主義の事実を消し去る時、誰が得をするだろうか?” 映画、文学、音楽などを通して、恰も理想的であり、潔白な時代と歴史を表現することは正しいなのか。今回、ジェームズ・J・ロビンソンは、この問題について自身のフィリピン人としてのアイデンティティを利用して、楽観的かつ魅力的にこの問いに挑む。
本展で展示される作品は、この人種差別主義の歴史を正すことに賛同した100人をも超えるアジア系オーストラリア人。映画と映画批評のバッググラウンドを持つジェームズ・J・ロビンソンらしく、その一人一人の物語と向き合い、ドラマチックな照明技術を用いて表現している。彼が写し出した「GOLDEN DAYS(黄金時代)」と呼ばれ、消し去られたオーストラリアの歴史を、ぜひ会場で体感してほしい。