2つの顔を持つクリエイター、岩井俊雄。彼の創作の秘密に迫る展覧会が水戸でスタート。
岩井俊雄といえば、メディアアートの第一人者として国際的に高い評価を受けているクリエイターだ。大学院在学中に第17回現代日本美術展大賞を最年少受賞し、その後はテレビ番組『ウゴウゴルーガ』のCGシステム制作やキャラクターデザインを手掛けたり、ゲームソフト制作や電子楽器開発を行なうなど幅広く活動。また坂本龍一とのコラボレーション作品や〈ジブリの森美術館〉の『トトロぴょんぴょん』など多くのインタラクティブアート作品を世に送り出してきた。
一方のいわいとしおは、「100かいだてのいえ」シリーズや「どっちが」シリーズで子どもたちの心をがっちりつかんでいる絵本作家。手描き絵は温かみがあるだけでなく、そこはかとなくユーモラスだ。絵本を通して子どもや親子にものづくりの楽しさを伝えるワークショップなども開催している。
ハイテク/デジタル時代の寵児でありながら、アナログの世界でも大活躍するクリエイターはどのようにして誕生したのか? 展覧会では子ども時代の発明ノート「工作ブック」やノートの端に描いたパラパラマンガといった本人ゆかりの品々をはじめ、絵本原画やスケッチ、愛児と一緒に手作りしたおもちゃ、メディアアートの再現展示によって、多種多様な表現世界の全貌と創作の秘密に迫る。また講演や絵本ライブ、ワークショップと作家自身が活躍するイベントも多く、その点でも非常にインタラクティブな展覧会だ。