賞金1000万円に賛否 福岡・行橋ビエンナーレ、今年度で中止
工藤市長は「前市政が進めた積極財政の後、一回立ち止まって予算を見直す」と中止の判断に至った経緯を説明。今後は「より市民が当事者意識をもって参加できる文化・芸術活動に予算を配分する」との方針を示した。
また、2021年12月から作品の受け付けが始まっていた第4回展については「応募する作品づくりに汗を流した作家の思いを大切にしたい」として、23年3月に予定している大賞作品のブロンズ像設置まで事業を継続すると表明。ただ、関連イベントの一部を中止するなどして、全体の事業費約2300万円のうち約400万円を削減することも明らかにした。
「ゆくはしビエンナーレ」は14年に初当選した前市長が「芸術品で潤いのある街づくり」を掲げて15年に創設。2年に1回作品を募集し、16年の第1回展には16カ国から56点の応募があった。しかし、国内外から優れた作品を公募するために設定した高額賞金には批判も根強く、2月の市長選で毎日新聞社が投票を終えた有権者を対象に実施した出口調査では、49%が「中止すべきだ」、16%が「継続すべきだ」、35%が「わからない」と答えていた。【松本昌樹】