山頭火の未完句集発刊 最後の遍路行を活写 生誕140年記念
同倶楽部は山頭火没後80年記念事業として、山頭火の唯一の自選句集「草木塔」を2021年に復刻し、山頭火が晩年を過ごした一草庵(松山市御幸1)時代の句集「草萌ゆる」を19年に発行。前者は1925(大正14)年2月~39(昭和14)年9月の句、後者は同年12月~40(昭和15)年10月の句をまとめていた。
今回は両句集で抜けている39(昭和14)年10~12月の句について、山頭火が「遍路行」と題した自筆原稿を基にまとめた。山頭火の最後の四国遍路で詠まれており、命がけの旅の姿が伝わるという。
また、山頭火の「句日記」と「四国遍路日記」に残された句を、山頭火自身の句選が分かるように紹介。山頭火研究の第一人者だった故・大山澄太さんの文章「山頭火の四国へんろ」も収録している。
同倶楽部事務局長の太田和博さん(74)は「山頭火の最後の旅で生まれた俳句を味わっていただきたい」と話している。149ページで600円。一草庵と松山市立子規記念博物館で購入できる。問い合わせは太田さん(090・6882・0004)。【太田裕之】