『【独自】不妊夫婦に里親・特別養子縁組の選択肢説明…治療前の情報提供へ厚労省が指針』への皆さんの反応まとめ
【写真】体外受精児、累計70万人を突破…日本産科婦人科学会が実績まとめ 指針では、情報提供は、治療開始前が望ましいと位置付ける。希望に応じて説明を複数回行うことを推奨するほか、不妊に悩む夫婦の心情に配慮した説明方法なども示す。治療の途中や行き詰まってからでは、諦めるよう促されたと誤解される恐れがあるためだ。 また、児童相談所や民間あっせん団体との連携や、不妊治療を断念して養子を迎えた親に話を聞く機会の提供も、指針に盛り込むことを検討している。 不妊治療を受ける人は年々増え、体外受精の実施件数は年間約46万件に達する。来春の保険適用でさらに増加が見込まれるが、治療しても子どもを授からない夫婦も多い。日本産科婦人科学会によると、1回の治療で出産した割合は、30歳代半ばまでは約20%で、40歳では10%に下がる。 治療期間が長期化し、心身の負担が課題になる中、不妊の夫婦に、治療の中止や別の選択肢を示す必要性が指摘されてきた。だが、医療機関の取り組みは進まず、厚労省は今回、情報提供の強化に踏み切った。 課題もある。里親・特別養子縁組は、児童養護施設などで暮らす子どもを家庭環境で養育するのが目的で、不妊治療がうまくいかなかった場合の代替手段ではない。そうした説明や、不妊治療を諦めた夫婦へのケアを担う人材が不足している。 里親や養子縁組に対する社会の理解も乏しい。親と暮らせない子どもは約4万5000人に上る。そのうち里親の家庭などで暮らす子どもの割合は22%にとどまり、米国82%、英国73%に比べて低い水準だ。前へ12次へ1/2ページ