【今週見るべき展示会】日本における 異性装のかたちや武田鉄平の絵画など
目に見えるものを正確に再現し、あるいは肉眼では捉えられないものを可視化するイメージング・テクノロジーが飛躍的に発展し、またスマートフォンを使って気軽にイメージを撮影、加工し、シェアできるようになった現代。本展は、人間がこれまでに試みてきた「イメージ・メイキング」の装置、そして、それらの技術や原理を着想源にした、アーティストたちの表現を紹介するものだ。
後者は、特に光学的なカメラとは異なる新しいツールや方法で、イメージを現前化させてきた作家たちを取り上げる。たとえば、フリーダー・ナーケや川野洋が参加した、コンピュータを使った版画のプロジェクト「アート・エクス・マキナ」の作品や、数理アルゴリズムに基づいた木本圭子のビジュアル・動画作品、いわば「レンズのないカメラ」である藤幡正樹の《ルスカの部屋》。国際的に注目を集めるタマシュ・ヴァリツキーの《想像のカメラ》シリーズも見どころだ。“あり得たかもしれない”想像上の映像機器をデザインし、提示するこのシリーズは、2019年のべネチア・ビエンナーレに出展され、話題をあつめた彼の近年の代表作である。
(画像)
(左から)フリーダー・ナーケ《無題(ウォークスルー・ラスター)》
川野洋《無題 (Red Tree)》
いずれも〈Art Ex Machina〉より 1972年 シルクスリーン 個人蔵
『イメージ・メイキングを分解する』
会期:~10月10日(月・祝)
会場:東京都写真美術館
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
時間:10:00~18:00(木・金曜は20:00まで)
※入館は閉館時間の30分前まで
休館日:火曜(祝休日の場合は開館、翌平日休館)
料金:一般 ¥700、大学・専門学生 ¥560、高校・中学生・65歳以上 ¥350
電話:03(3280)0099