建物もカッコよすぎ…! 重要文化財の名建築で国宝7件も見られる展覧会
【女子的アートナビ】vol. 267
これまで東京都世田谷区にあった静嘉堂文庫美術館が、東京・丸の内にある重要文化財「明治生命館」の1階にギャラリーを移転。そのオープニングを飾る展覧会では、国宝《曜変天目(稲葉天目)》をはじめ、所蔵するすべての国宝7件を前・後期に分けて公開しています。
美術館が入る明治生命館は、1934年に竣工した古典主義様式の最高傑作。日本を代表する近代洋風建築といわれています。戦時中、東京大空襲による被害は免れましたが、戦後はGHQが接収。1945年から1956年までは、アメリカ極東空軍司令部として使用されていました。
1枚目の画像は、静嘉堂文庫美術館の中央部にある吹き抜けの広い空間「ホワイエ」です。大理石が多く使われた大変美しい場所で、そこを取り囲むように4つの展示室が配置されています。
まずは、静嘉堂の歴史をざっくりご紹介。
130年もの歴史をもつ静嘉堂は、岩﨑彌之助 (三菱第二代社長)が創設。その息子、岩﨑小彌太 (三菱第四代社長)がコレクションを拡充し、現在では国宝7件、重要文化財84件を含む多くの古典籍と美術品を所蔵しています。
岩﨑父子は、廃仏毀釈により文化財が海外に流出していくなかで、日本の宝を守るために美術品や古典籍の収集を開始。さらに彌之助は、静嘉堂の創設当初からビジネス街に美術館を建て、作品を多くの国民に見てもらいたいと考えていました。
130年ぶりに創設者の夢が実現した新しい美術館は、まさにビジネス街の中心部にあり、東京駅からも徒歩5分で行くことが可能。丸の内にお勤めの人なら、ランチタイムに立ち寄ることもできそうです。