田根剛、皆川明、森永邦彦……13名のクリエイターが見つけた日本の“デザイン”が国立新美術館に!
デザイナーの三宅一生が国立のデザインミュージアム設立を求めて声を上げたのは、2012年のこと。それをきっかけに、国内で日本におけるデザインミュージアムのあり方が議論されてきた。東京・六本木の〈国立新美術館〉で開催されている展覧会『DESIGN MUSEUM JAPAN展 集めてつなごう 日本のデザイン』は、その可能性の一つを提示するものだ。
本展は、2020年から制作されたNHK Eテレの番組『デザインミュージアムをデザインする』を原点とする。番組では、第一線で活躍するクリエイターたちに「日本にまだないデザインのミュージアムをあなたが作るなら、どんなものを作りますか?」と問いかけ、その答えの中から、「日本各地に点在する、素晴らしい『デザインの宝物』を所蔵する館や組織をネットワークし、その集合体を〈デザインミュージアム〉と呼ぶ」というアイデアが浮かび上がった。本展は、その提案を指針に、各地でリサーチを行ったクリエイター13名が、日本各地の生活文化に根ざすデザインの物語を探る。参加クリエイターは、田根剛、皆川明、西沢立衛、柴田文江、須藤玲子、田川欣哉、乾久美子、水口哲也、三澤遥、辻󠄀川幸一郎、原研哉、廣川玉枝、森永邦彦の13名だ。
彼らが注目したデザインは産業革命以降に発展した近現代の概念に限らない。縄文時代における人々の暮らしに始まり、伝統的な衣食住の道具、世界最先端のスポーツウェア、祭事といった文化風俗まで、実に幅広い要素からデザインの根源を見出している。展示では彼らが見つけた〈デザインの宝物〉を一堂に並べ、リサーチ映像とともに紹介している。