注目のイタリアンが手がける〈クレイジーピザ アット スクエア〉|寺尾妙子のNEWSなレストラン
観光地でもなければ、自然豊かな地方でもない。各駅停車しか停まらない国領で、ガストロノミーなイタリアンとして評価される〈ドン ブラボー〉では、コース中に出されるピザが名物となっている。2022年2月に誕生した〈CRAZY PIZZA at SQUARE(クレイジーピザ アット スクエア)〉は国領の2軒の流れを受け継ぎつつ、ここだけの魅力でも勝負する。
「うちのピザはナポリ風でもローマ風でもない、独自のスタイル。ベースは同じですが、この店の生地は茨城産の全粒粉の分量を多めにして、ヨーグルト種ではなくイーストで発酵させて、ざっくり荒く、軽やかな生地に仕上げています」と柴田正幸シェフ。
国領では薪窯を使っているが、こちらは電気窯。熱源が異なることから、生地にもアレンジを加えた。
チーズがとろりととろける熱々のピザは香ばしく、キレがいい。マルゲリータなどの定番に加え、自家製のサルシッチャや焼肉ソースなどを載せた「マヨコーン」など、柴田シェフ曰く「レストランが本気でつくるジャンクな味」もたまらない。
マストはここだけのメニュー「#ぶっかけピザ」。その名の通り、通常は具を乗せて焼き上げるところを、別に焼いた生地の上に具をぶっかける。具は春はイイダコのトマト煮、夏になると様々な魚介のトマト煮などが登場する。
「本店の〈ドン ブラボー〉がイノベーティブだとしたら、こちらはイタリアの伝統的で日常的な食文化を打ち出しながら、ちょっとアレンジを加えている感じです」(柴田シェフ)。
サルデーニャ料理「真ダコのサラダ」や「ボローニャ風 仔牛のカツレツ」といった郷土料理も提供している。
名店の味を23区内で味わえるようになったのは、喜ばしい限り。様々な郷土料理にアレンジを加えたスタイルは、本場イタリアでもないかも? 絶品のピザに、独自の世界観を楽しめるピッツェリアが誕生した。
東京都新宿区天神町1-2 SHAREtenjincho1F TEL 070 2008 1910。平日12時~14時LO、18時~21時L0。土・日曜・祝日16時~21時LO。水曜休(月2回不定休あり)。一品料理550円~、ピザ1,320円~。グラスワイン900円~、レモンサワー900円。