アーティスト 片山真理が新作発表 パンデミックからの4年間を振り返る
片山は1987年埼玉県生まれ。自身で手縫いしたオブジェや、義足などを用いて演出を施したセルフポートレイト、またそれらによるインスタレーション作品などで知られる。2020年には第45回木村伊兵衛写真賞を受賞し、国内外で展覧会を開催。2011年から展開している「ハイヒール・プロジェクト」では義足用のハイヒールを製作し、パフォーマンスを行った。
今回の個展のテーマは「CAVERN(洞窟)」。これは2019年に群馬にアトリエを構え、身体と作品の関係性、そしてそれらを取り巻く社会について集中して取り組んできた期間を「洞窟」になぞらえたことに由来する。外界との接触が絶たれた、暗く神秘的な空間で、片山はオブジェとの「秘密の関係」を作り上げてきたという。今回発表される新作「Calypso」には「セルジオ ロッシ(Sergio Rossi)」のサポートを得て制作された「ハイヒール・プロジェクト」の完成品も登場する。
「ただただ、この4年間を振り返ろうと思った。それは空洞のようでもあり、大切なものだけを並べた宝箱のようでもあった。新しい仲間や新しい身体を得て、全く別の人になるすがすがしさを感じる時もあれば、ヘンゼルとグレーテルのように道に迷わぬよう置いていった白い小石を過去から拾い集め戻っていくような懐かしさも感じた」とステートメントでは語られている。パンデミックから今に至るまでの流れが、作品を通して体感できそうだ。