磯崎新による伝説の展覧会『間』が“再生”。〈江之浦測候所〉で一日限りの追悼記念公演を開催。
同展はニューヨークの〈クーパーヒューイット国立博物館〉をはじめとするアメリカ、北欧の5カ所の美術館を巡回。その後、磯崎はこの「間」プロジェクトを伊勢神宮の式年遷宮になぞらえて「20年に1回のインターバルで再生する出来事」と位置づけ、2000年には〈東京藝術大学大学美術館〉にて『間-20年後の帰還』展を実施した。
2022年末に惜しくも逝去した磯崎だが、次の「再生」の準備も進めていた。氏が70年代に通ったシルクロード諸国で、飛鳥や奈良などの日本の古代文化の基層に深く関わるペルシャ(イラン=中国での呼称は胡)を出発地として、ジョージア(トビリシ)、ウズベキスタン(サマルカンド)、中国(西安)と東に進み、最後は日本にまで至るという壮大な構想だ。このシルクロードの「間」展は、2023年9月初旬からイランのタブリーズを皮切りに、その後、テヘラン、トビリシへと巡回する予定だ。
これに先駆けてイランの音楽家3名が来日し、神奈川県小田原市の〈江之浦測候所〉にて、イランと日本の古楽器奏者による1日限りの演奏会が5月30日に行われる。磯崎新のライフワークとも言うべき「間」プロジェクトの“再生”とともに、同氏追悼の場ともなる。演奏会のチケット収益は『間』シルクロード展の開催のために充てられる予定だ。