18年前閉校の分校、美術館として再生 若手芸術家制作の場に 栃木
開設者は市内の一般財団法人「おもい・つむぎ財団」(川端秀明代表理事)。各地で学校などを会場にした「一日限りの美術館」を開くなどの活動実績があり、市が公募した同分校活用の事業提案に応じた。
美術館は、1929年に建てられた平屋建て木造校舎で床面積は307平方メートル。2004年3月の閉校以来使われていなかったが、三つの教室の雰囲気を生かしながら、展示スペースやアトリエ、喫茶室に改修した。シルクスクリーンの製版機に加え、近くエッチングのプレス機を導入する予定という。
これまでの事業費は校舎の改修に約500万円、機材費に約250万円。ガスや配電業者がボランティアで工事に協力した他、大勢の地元住民が母校の改修を手伝ったという。クラウドファンディングで約700万円を集め、市の補助金も受ける。
館長も兼ねる川端代表理事(48)は、「多くの皆さんの協力でスタートアップを迎えた。誰もがアートを体験できる美術館としてどんどん進化させたい」と話す。博物館法に基づく美術館登録に向け、県と事前協議を続けている。
こけら落としは、横浜市在住の金子未弥さん(33)の作品展。教室の中に、玉入れのかご、クスノキの若木、虫眼鏡などで作ったさまざまな日時計が展示されている。シルクスクリーン制作のワークショップも予約できる。開館は毎週金~日曜日と祝日の午前10時~午後5時。問い合わせは「つくりえ」(0284・22・7868)。