『今オフ原・巨人の補強策、ターゲットはFA権獲得の大物か』への皆さんの反応まとめ
【写真】“期待外れFA戦士”陽岱鋼が残留のワケは
クライマックス・シリーズのファイナルステージでヤクルトに敗れ、今季の全日程を終えた巨人・原監督は15日、東京・大手町の読売新聞東京本社を訪れ、山口寿一オーナーにシーズン終了の報告を行った。3年契約の最終年だった同監督に対して、球団側はすでに新たな3年契約を提示し、受諾していた。トップ会談終了後、記者会見に臨んだ指揮官は今オフの補強策に触れると「誰が見ても外国人選手はね。それはオーナーも認めるところ」と、大失敗に終わった新外国人選手の補強の必要性を認めた一方、FA補強については慎重に言葉を選んだ。
「僕が答えをパンと出してしまうのはおかしな話。FA権(を取得した)選手は今年はたくさんいるわけでね。その選手達の権利は大事にしてもらいたい。それが野球界の中で選手として誇れる一つの材料であることは間違いない。その部分というのは、答えない方が僕はいいと思いますね」と話し、「(FA補強に)参加するのがジャイアンツ」と語っていた以前とは全く違うニュアンスを周囲に与えた。
原発言で「今オフの巨人はFA補強よりも自前の若手選手の育成にかじを切ったのか…」と見る球界関係者もいるが、果たしてそうだろうか。オーナー報告会が行われた15日、球団は12選手の自由契約を発表した。田中豊、鍬原、横川、井上温、伊藤優、堀岡、沼田、香月、ウレーニャ、平間、増田陸、伊藤海の12選手。戦力外通告解禁日の10月4日には松井義弥内野手と育成4選手に戦力外通告を行っているが、今回の自由契約選手は「戦力外でクビ」という意味合いではなく、全員が育成選手として再契約を結ぶ方針だ。
12選手にも及ぶ「自由契約→育成で再契約-」の人事にはどんな意味があるのか。答えは簡単に引き出せる。
日本シリーズは20日から行われている。今季中に国内FA権を取得した選手はシリーズ終了後、土日祝日を入れない7日間のうちに権利を行使するならば、表明しないといけない。そして、FA権を行使した選手はAランク(旧球団の年俸上位1~3位)Bランク(4~10位)Cランク(11位以下)に区分けされる。A、Bランクの選手を獲得する球団は旧球団が望めば人的補償が発生する。この際、支配下選手(育成選手は除外)の中で当年のドラフト指名選手、外国人選手及び28人のプロテクトされた選手以外の選手なら、旧球団に誰を指名されても渡さなければならない。
ここで育成枠が生きてくる。オフ期間だけでも育成選手として再契約しておけば、FA補強の際の補償選手の対象にはならない。大量12選手の「支配下→育成」への契約変更を深読みするなら、球団側が今オフもA、Bランクの選手をFA補強で狙っている〝準備〟と捉えるのが自然だろう。
そして、今季で年俸3億円(金額は推定)の5年契約が切れた陽岱鋼(ようだいかん)外野手(34)と来季も契約を結ぶこともFA戦略との関わりを疑いたくなる。今季は1軍で7試合出場、打率・143の大不振。それでも球団側は右打ちの外野手が不足しているチーム事情から残留させるという。ただ、本当に来季、使う気があるのか? 経験豊富な外野手で肩と足は衰えていない。FA補強の際の補償選手としてなら、旧球団にとっては格好の〝商品価値〟がある…と見たのではないか。
育成枠がFAの補償選手逃れになるシステムはどうなのか…はさておき、12選手の育成再契約&陽岱鋼残留の裏にはFA大型補強のにおいがプンプンする。(特別記者)