国の重要無形文化財「小鹿田焼」窯元に大雨の深い爪痕…唐臼流失や土砂、秋の「民陶祭」中止
小鹿田焼は「飛び鉋」「打ち刷毛目」などの技法を駆使した独特の文様で知られる。近くで採取した土を川の流れを利用した唐臼で搗くなどして陶土に仕上げるが、大雨で唐臼に土砂が流れ込むなどした。
市文化財保護課によると、稼働中の唐臼39基のうち1基が流失、1基が川に落下した。残る37基も土砂が流入したり、位置がずれたりするといった被害が出た。
集落は2017年の九州北部豪雨でも唐臼が流されるなどの被害に遭っているが、小鹿田焼協同組合の坂本工理事長(59)は「水流は今回の方が激しかった」と振り返る。
唐臼のほかにも採土場に通じる林道の復旧や、燃料となる薪の調達、水を含んだ窯の乾燥など課題は山積しており、組合は4年ぶりに開催予定だった秋の「民陶祭」の中止を決めた。