モノクロ銀塩プリントによる初の個展、田中大輔「淵を歩いて」展
田中はこれまでカラーフィルムで撮影した作品を発表してきた。数年前からモノクロフィルムでの撮影・作品制作を始め、本展はモノクロ銀塩プリントによる初の個展となる。これまでの色に対する彼独特の感性から一転し、光により焦点を当てた作品へと移行しながら、彼の作品の根底に流れる「ひたすら眺めることで生まれてくる響きのような」ものへの探究は変わらずにそこに存在し続けている。写真を始めた頃から子供を撮り続けていることについて、撮ることで子供と対峙し、見る見られるの関係が浮き上がることにより、自身が視つめ続けることへの自覚を問われている、と田中は話す。