明恵「夢記」など1700点出品 神保町で古典籍展観大入札会
出品されるのは和本や、古文書、古地図、錦絵、中国の古典籍など約1700点。目玉の一つは鎌倉時代初め、華厳宗中興の祖として知られる僧、明恵が自らの夢を記した「夢記」の一部で、嘉禄元(1225)年8月から翌嘉禄2年6月までに見た夢を記したものが出品されている。
「百万塔並自心印陀羅尼(ひゃくまんとうならびにじしんいんだらに)」は奈良時代の制作で木製の小塔に経文を納めたもの。経文は世界最古の現存印刷物とされる。さらに戦国武将や文豪、政治家の書簡、絵画に古地図など多彩だ。時代も古代~現代と幅広い。博物館や美術館などでガラスケース越しに鑑賞する物を、至近距離で見ることができる貴重な機会だ。
東京古典会は1912年設立。毎週、同館で全国から集まる数百点の日本、中国の古典籍が取引される市場を運営している。年に1度、11月に一般客が実物を見て選ぶことができる入札会を開催してきた。入場無料。希望の品物があれば20日と21日の入札会で業者に代行してもらう。問い合わせは同会館(03・3293・0161)。【栗原俊雄】