和歌山にも公立夜間中学校を
夜間中学校の重要性を伝えるドキュメンタリー映画「こんばんはⅡ」(森康行監督)の県内上映会を企画するため、令和2年に発足した実行委員会のメンバーらが中心となって結成。5月30日には市内で設立総会が開かれ、県内の教育関係者ら約15人が出席し、会長に山口裕市・元県教育長を選んだ。
会の発足について、メンバーの江口怜・和歌山信愛大学助教は「義務教育を十分に受けられなかった人や日本語が不自由な外国籍の人などに、平等に教育の機会を提供する公立夜間中学校は県内にも必要で、設置を働きかけたい」とアピールした。
県内には、個人的な活動として運営している自主夜間中学校や、県在住の15歳以上の社会人を対象に、学び直しの場として県教委が県内4カ所で開講している「きのくに学びの教室」などもある。
しかし、平成12年から自主夜間中学校を運営する小学校教諭の吉本拓司さんは長年の経験も踏まえ、設立総会で「幅広い年齢の生徒が友情も育みながら、和気あいあいと多人数で学べる公立夜間中学校の設立が本来、あるべき姿」と述べた。
会は今後、夜間中学校の設置を求める署名活動を展開し、遅くとも令和8年までの設置実現をはじめ、既存の学びの場への支援強化も求める要望書を、県や和歌山市に提出する方針。
山口会長は「賛同者を広げて地道な活動で実現を目指したい」としている。