NYにかつてないラグジュアリーが上陸。〈アマン ニューヨーク〉体験レポート!
喧噪うずまく57丁目に佇む、ひそやかなエントランス。そうと知らなければ街のノイズに気を奪われ、通り過ぎかねないほど上質な落ち着きをたたえた扉の向こうに、〈アマン ニューヨーク〉が広がっている。
こちらとあちらを隔てるヴェルヴェットのロープが解かれ、足を踏み入れた先には、黒い大理石の暖炉に炎がゆらめくホワイエが。NY特有の地鳴りのようなざわめきがたちどころに消えたと思うと、さらにドアが開く。陶芸家・辻村塊の巨大な花器が出迎える広々としたフロントロビーに身を置くやいなや、五感を調和に導く色や音、光や香りによって別の時空へと包み込まれる。
〈アマン ニューヨーク〉は、〈アマン東京〉に続く世界2番目の都市型アマンだ。計83室のスイートに加え、15階から30階にかけては、アマン初となる22戸のブランデッド・レジデンスが続く。
1階のロビーからエレベーターが向かうのは14階。この巨大なフロアに社交の空間が集結し、シームレスにつながり合う。レストランはイタリアンの〈Arva / アルヴァ〉、そして和食のファインダイニング〈Nama〉。食材の8割を地元産が占める。
ちなみに〈アルヴァ〉の照明は、光を細くデザインすることにより、同じテーブルの人の顔はしっかりと見える一方で、他のゲストの姿はぼんやりとしかわからない。話題の店で多くの人に目撃されるのをステータスとするのがNYの一般的な社交シーンだが、ここでは社交空間全体の華やぎを堪能しつつ、プライバシーがしっかりと保たれる。
旬の味覚に舌鼓を打ち、大きなアートピースが宙に浮くラウンジバーで寛ぐ。圧巻はガーデンテラスだ。緑あふれる屋外スペースにしつらえた大理石のファウンテン。その中央でファイアピットの炎が目を奪う。テラスの端がカウンターとなっているエリアに腰かけると、まるで摩天楼が目の前にせりあがってくるかのよう。地上の騒音は14階まで上ってこないため、耳には静寂しか届かない。目に飛び込む迫力と、静けさとのコントラスト。都市の強烈なエネルギーを浴びながら、平穏な心持ちを得られるという空間は、NYにこれまで存在しなかったのではないだろうか?
一方、地下には〈ジャズクラブ〉も。昔のスピークイージー(もぐり酒場)を思わせる秘密めいた空間で、19~21時はライブ演奏、23時からはDJプレイが展開する。