ジャニーズにK-POPも オタクによるオタク用語辞典出版へ
きっかけになったのは、名古屋短大(愛知県豊明市)の学生が22年秋、ゼミ活動で制作したオタク用語辞典「大限界」。日本初の近代辞書「言海」の増補改訂版「大言海」と、「痛々しさが許容範囲を超えたオタク」を指す「限界オタク」からネーミングした。
アイドルやアニメ、ゲームなど11章に分け、全821語を収録した。例えば「チョッコン」の語釈は「コンサートの初日のこと。コンサートに韓国語の『チョ=初め』をつけて省略して使う」。その道のオタクでないと見慣れない言葉が多く、学園祭では大盛況、東京から買い求める客もいた。
SNS(ネット交流サービス)でも話題になった。三省堂編集者の奥川健太郎さん(54)が資料として取り寄せたところ、「学生の熱量が伝わる」「これまでになく、面白い」と社内の評判を呼んだ。ゼミを受け持つ小出祥子准教授の打診もあり、一般書籍化が決まった。
11月の学園祭に出版が間に合うよう、新ゼミ生5人が用語の加筆修正や挿絵の制作に追われる。ゼミ長で、K-POPオタクを自認する加藤えりなさん(19)は「オタクに共感してもらうだけでなく、全然知らない人にもこのような世界があることを知ってほしい」と期待している。【川瀬慎一朗】