16年ぶりの大回顧展。「大竹伸朗展」が東京国立近代美術館で開催へ
大竹伸朗は1955年生まれ。80年代はじめにデビューし、その領域は、絵画、版画、素描、彫刻、映像、絵本、音、エッセイ、インスタレーション、巨大建築まで多岐にわたる。
近年では、2012年に開催されたドクメンタや、2013年のヴェネチア・ビエンナーレの二大国際展への参加。国内においても、「東京2020
公式アートポスター展」への参加や、国指定重要文化財「道後温泉本館」の保存修理工事現場を覆う巨大なテント幕作品《熱景/
NETSU-KEI》の公開を行うなど、現代日本を代表するアーティストとして国内外で評価されている。
本展では、およそ500点の作品が7つのテーマ「自/他」「記憶」「時間」「移行」「夢/網膜」「層」「音」に沿って構成されるという。時代順にこだわることなく、ゆるやかにつながる大竹の作品世界に没入し、その創作のエネルギーを体感したい。
また、本展では、2019年以降大竹が取り組む「残景」シリーズの最新作《残景
0》(2022)が初公開。くわえて、大竹がライフワークとしてほぼ毎日制作しているスクラップブック全71冊の一挙公開や、2012年にドクメンタで発表し、現地で好評を博した作品《モンシェリー:自画像としてのスクラップ小屋》(2012年)が関東初公開となるのもみどころだ。
なお、会期中は東京国立近代美術館のテラス部分に「宇和島駅」のネオンサインを作品にした《宇和島駅》(1997)が設置。大竹が宇和島駅舎のリニューアルにともない古いネオンサインをもらい受けたことで生まれた作品で、過去の大規模個展でも会場の美術館に設置されてきた。その郷愁を誘う姿を、美術館で目撃してほしい。