小寺慶子のレストラン予報|新橋〈鮨よね山〉
全国的に鮨バブルはまだまだ継続中。30歳前後の若手の台頭も目立つが、何十年と “自分の鮨” を追求してきた職人の技には、やはり抜群の安定感がある。
今年1月にオープンした〈鮨よね山〉の店主、米山淳さんはこの道30年のベテラン。町寿司からキャリアをスタートし、大衆も高級も知りたいと銀座の〈鮨 あらい〉で3年半働いたと聞けば、その勤勉さが伝わる。店を始めるにあたり、プロデュースを務めた福本芳鷹さんは秋田県の〈新政酒造〉で働いた経験を持ち、日本のワインやウイスキーにも精通。生産者や鮨職人との親交も深いため「心強い助っ人」と米山さんも頼りにする。
コースは29,700円で、つまみ5品と握り11貫前後が登場。仕入れは豊洲に限定せず、全国の漁師から直送される魚も多く使う。ひと晩寝かせたさよりや軽く昆布締めにした鰆、シルキーな食感に驚く鮪など、素材と仕事が見事に融合した握りは一貫、一貫に深い感動がある。鮨業界のさらなる盛り上がりを予感させる店を訪れるなら、いましかない。
[予算]1人35,000円前後
軽くお酒を飲んだ場合の目安。おまかせコースは29,700円のみ。日本酒は1合1,500円~。
[予約]なるべく早めに
現状、数か月先まで予約を受けるシステムは考えていないというが、6席のカウンターは争奪戦必至。
[ドレスコード]スマートカジュアル
どの鮨店にも共通するが、香水は控えるのがマナー。シンプルな空間に似合うスマートな装いで。
東京都港区西新橋1-18-7 塚田ビル1F TEL 03 6205 8484。18時~(一斉スタート)。不定休。