渡部敏哉個展 「Somewhere not Here」がPOETIC SCAPEで開催中
アートディレクターとして活動するかたわら、写真を用いた作品の制作・発表を続ける渡部。本展は、同名のシリーズの3度目の展示となる。
「自らの意識の底にあるイメージを写真で掬い上げること」をテーマに制作された「Somewhere not Here(ここではない、どこか)」は、通勤途中に出会った光景や近所の公園で散歩中に見つけた落ち葉など、ほとんどが渡部の日常の行動範囲内にある身近な「ここ」において撮影されたもの。多くの人が目にする光景を違う角度と深度から眼差すことによって「Somewhere not Here」は生み出されているが、その一方で写真には撮影された地の現実もまた写り込み、現実と非現実が混在し、ゆらめきつつオーバーラップするような構造を持つ。ひとつの画面にさまざまな要素が共存する多層的な作品は、観る者に多様な解釈を可能にするだろう。