ファッション界注目の写真家ココ・カピタンに聞く、現代人の生のかたち。
〈PARCO MUSEUM TOKYO〉では彼女の日本初となる個展『NAÏVY: in fifty (definitive) photographs』が開催中。展示の中心になるのは、50枚の写真作品。この約10年間のうちに撮った写真を見返したとき、“繋がり”を感じたものを集めたものだそうで、その際に頭に浮かんできたテーマが「NAÏVY」だったと本人。これは、「navy(ネイビー)」と「naive(ナイーブ)」を掛け合わせた、ココの船乗りたちを表す造語。幼少期から海へ対する憧れがあった、とも言う。
「私は小さい頃、アーティスティックスイミングのチームに所属していて、毎日4時間、プールで練習をしていました。ただチームメイトから仲間はずれにされて。その後、海沿いの街に引っ越したのですが、そこで無限に広がる海に触れて、四角いプールの記憶、アーティスティックスイミングの呪縛から、解放された気持ちになったことがあります」
今回の「NAÏVY」シリーズには、セーラー服を着た男女、そして岩場に紐で括り付けられた小型ボート、木にぶら下がった果実や誰かの家の中など、何気ない日々の風景なども混じる。印象的なのは、会場に記された「私は思いがけず道に迷いたかった、私は誰もが道に迷っていて、そのあてどなさを祝福できる集団の一員になりたかった」というステートメントだ。