デザイナー山下泰樹がつくりだす「人を幸せにする空間とは」
また「+SHIFT NOGIZAKA(プラスシフト乃木坂)」では、建築、インテリア、家具、アメニティといった一連の要素を彼がトータルでデザインしている。植物の根から着想を得たという大胆な外装がまず目を引くが、無垢材のフローリングや手が触れる部分のファブリックなど、素材の使い方にも有機的なフィーリングが貫かれた。
「近代建築の代表的な建築家ル・コルビュジエをはじめ、経済が成長し続けた20世紀は合理的なコンクリートの建物をどんどん建てていこうという人が多かった。しかしその対抗馬として、もっと人を中心に空間を考えようという建築家もいたのです。北欧にはヒュッゲ、英語にはコージーという『心地よさ』を表す言葉がありますが、それがないがしろになっていないか。今なお合理性を追求する世の中に対し、僕はデザイナーとしてそこに取り組んでいきたい」
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「+ SHIFT NOGIZAKA」は12階建てのオフィスビルで2021年4月に開業。「植物の根」をモチーフにした外観がアイコニックだ。建築からインテリアやそのディテールまで、一貫したコンセプトに基づいてデザインされた