作曲家の一柳慧さん死去 89歳 現代音楽をけん引
兵庫県出身。作曲を平尾貴四男、池内友次郎、ピアノを原智恵子らに師事し、10代の時に音楽コンクール(現在の日本音楽コンクール)作曲部門で2度、1位に選ばれた。19歳で渡米後、米ジュリアード音楽院で学び、米国人作曲家のジョン・ケージらと交流。偶然性を重んじる前衛音楽と出合い、実験的な音楽活動を展開した。1961年に帰国後は、図形楽譜を用いた作品を手がけるなど前衛的な作曲技法を紹介した。雅楽や邦楽器を使った邦楽作品などにも作曲の幅を広げ、近年も精力的に活動していた。代表作は「ピアノ・メディア」、交響曲「ベルリン連詩」、オペラ「愛の白夜」など。
日本音楽コンクール審査員などを務め、尾高賞、毎日芸術賞、サントリー音楽賞などを受賞。99年に紫綬褒章、2008年に文化功労者に選ばれ、18年に文化勲章。
00年からは神奈川芸術文化財団芸術総監督を務めていた。芸術家のオノ・ヨーコさんの元夫。