川上未映子さん、英ブッカー国際賞逃す 小説「ヘヴン」ノミネート

「ヘヴン」は、中学校でいじめを受けている14歳の「僕」の視点で、生きる意味や善悪の根源などを問う小説。2009年に講談社から刊行され、芸術選奨文部科学大臣新人賞と紫式部文学賞を受賞。21年にサム・ベットさんとデビッド・ボイドさんによって「HEAVEN」として英訳された。
1969年から続くブッカー賞は、英国で最も権威ある文学賞とされる。国際賞は05年に創設。当初は世界の作家の功績を顕彰していたが、16年から英訳出版された作品を対象とする賞になった。日本の作家では、小川洋子さんの「密(ひそ)やかな結晶」が20年の最終候補に入ったが受賞を逃していた。
今年の最終候補は、川上さんに加え、韓国のチョン・ボラさんや、ポーランドのノーベル文学賞受賞者、オルガ・トカルチュクさんら計6人の作品だった。【関雄輔】