いざ、初の神楽甲子園へ 有志をPTAなど後押し 岩国高校坂上分校
同校のある岩国市北部の山代地方では、県指定無形民俗文化財「山代白羽神楽」など多様な神楽を、各地の保存会や神楽団が「山代神楽」と名付けて伝承している。同校は4月から2年生が地域の歴史や文化を学ぶ授業の一環として継承に取り組んでおり、今回は生徒たちの発表の場を設けようと、PTAなどの協力で神楽甲子園初出場が決まった。
出場するのは長川さんら3年生3人、2年生8人の計11人の有志。このうち経験者は長川さんら3年生2人のみだ。有志らは、山代白羽神楽保存会の巻郷満会長(44)の指導で放課後に舞い手や楽士の練習を重ねてきた。
公開リハーサルで、有志らは神楽甲子園で演じる神楽「三鬼」を全校生徒の前に披露。長川さんが演じる太夫と、太夫の心の中の欲望を表す7匹の鬼が戦う姿を、3人の楽士の笛や太鼓の演奏に合わせて熱演した。壮行会では、生徒会長で3年の藤中智葉さん(17)が「本番では練習の成果を生かせるように頑張ってください」と激励した。
神楽甲子園は安芸高田市などのつくる実行委員会が、地域に伝わる神楽の後継者育成などを目的に2011年に始めた。今回は22、23両日の日程で、神楽以外の演目で参加する2校を含めて20校が出場。坂上分校の有志たちは22日に登場する。【大山典男】