着物は何回着たらクリーニングに出せばいい?どんな洗い方がある?プロが回答
やまもとしゅうじ●神奈川県横浜市「やまもと工藝」代表。1987年より和裁師として活躍。94年、内閣総理大臣賞受賞。仕立ての独自理論を確立したほか、染織や茶道に明るく商品企画や執筆など多岐にわたり活躍中。
丸洗いや汗抜きなどのクリーニングは何回着たら出すものですか?先日、3回ほど着た色無地を丸洗い+シミ抜きに出したら、店員さんに「こんなに汚して」というようなことを言われたので気になりました。
着物を着る頻度や着方などにもよりますが、たくさん汗をかいたとか、派手に汚してしまったわけではない限り、着たら毎回出す必要はないとは思います。回数の目安として、同じ着物を3~4回着たらクリーニングに出す、くらいの感覚が一般的かと思います。回数に限らず、衣替えの時期には、そのシーズンに着たものは洗いに出したほうがいいです。
夏は特にたくさん汗をかくので、夏物の着物は着た後そのまま来年まで放置することのないよう、シーズンが終わったらクリーニングに出すことを習慣づけるといいでしょう。汗の汚れというのは、付いたそのときには分からなくても、時間が経つと黄ばみとして出てきます。夏に着た着物には汗の汚れがある程度付いていることを想定し、丸洗い+汗抜き(部分洗いの一種)などと、組み合わせてオーダーするのがおすすめです。
■丸洗い
丸洗いとは、着物を解かずに仕立てた状態のまま、油性の洗浄液で全体洗いをすること。全体的に薄汚れが目立ってきたら行います。
■洗い張り
着物を解いて洗うのが洗い張りです。解いた着物を縫い合わせ、反物のような状態にしてから洗うため、例えば袷の着物の内側に付いた汚れやカビなども落とすことができます。洗浄後は仕立て直す必要があるため、着物の寸法を変えるときや染め替え、作り替えなどの際に行うことが多いです。