デザイナーズマンションならぬ、デザイナーズ巣箱!? ブルックリンに現れた33個の巣箱とは。
今、NYにあるブルックリン植物園(BBG)のあちこちで出会えるのが、ユニークな「バードハウス」。33組のクリエイターが、思い思いの解釈で制作した鳥の巣箱だ。
スイス国旗の巣箱をデザインしたのはアーティスト、トム・サックス。安住の地、そして国境のシンボルとして自身の作品にしばしば登場するスイスのモチーフを、国境など越えてどこまでも飛んで行ける「鳥」にあえて捧げるのがトム流ユーモアだ。
一方、ムラサキツバメのための巣箱をヒマラヤスギで作ったのはローマン&ウィリアムズ。NYのエースホテルはじめ数々のホテルを設計してきた彼らが手がける、最も小さな「ホテル」である。
建築界の重鎮スティーブン・ホールは4羽限定の巣箱、その名も《フォー・バーズ》をカエデ材で制作。ピアノ独奏曲『鳥のカタログ』でも知られるフランスの作曲家オリヴィエ・メシアンの曲にインスピレーションを得たという。
1911年の開園以来、地元植物の保護に努めてきたBBGは、さまざまな鳥が数多く棲息するサンクチュアリでもある。北米に棲む野鳥の個体数は過去50年で30億羽近く急減したと言われる中、各界の第一人者が大人の遊び心と共に取り組んだ、デザイン巣箱プロジェクト〈フォー・ザ・バーズ〉。東京ドーム5個分もの広い植物園をゆったり巡りながら、一つ一つの巣箱に込めた意図やメッセージをぜひじっくりと味わいたい。
〈Brooklyn Botanic Garden(ブルックリン植物園)〉990 Washington Ave, Brooklyn, NY TEL (1) 718 623 7200。~2022年10月23日。10時~18時(火・木~20時30分)。月曜休。入場料18ドル。