進境著しい一力九段、「カド番の鬼」井山棋聖の壁に挑む…17日から棋聖戦第7局
棋聖10連覇がかかる井山棋聖に、初戴冠を目指す一力九段。シリーズは第4局を終えて一力九段が3勝1敗とリードしたが、井山棋聖が第5、6局を連勝してタイに戻した。
井山棋聖は昨年、本因坊戦七番勝負、碁聖戦五番勝負、名人戦七番勝負、王座戦五番勝負でカド番に追い込まれたが、いずれもしのいでタイトルを防衛、奪取した。円熟味を増し、土俵際でも決して動じない王者は、「カド番の鬼」と称された。
一方の一力九段は昨年、碁聖戦五番勝負、名人戦七番勝負で井山棋聖に屈した。しかし、師匠の宋光復九段は「相手ではなく、自分自身との戦い」と精神面の成長に期待する。初めて棋聖に挑戦した4年前は井山棋聖から1勝も挙げられずに敗れたが、今期は大きく飛躍した姿を見せている。
第43期以来、3期ぶりに最終第7局にもつれ込んだ棋聖戦七番勝負を制するのはどちらか。囲碁界の最高位を争う注目の大一番「仁和寺対局」は、17日午前9時に始まる。