【着物のお手入れ】どのタイミングで何をすべき?今さら聞けないケア法を解説
まず、絹の着物にとって一番よくないものーそれは“湿気“ではないかと思います。 お召しになった着物は少なからず汗を含んでいます。着物を脱ぎ、干すことで水分が放湿されます。「陰干し」といわれるように、湿気の少ない風通しのあるお部屋で日光があたらないように干してください。室内の電灯、蛍光灯にも注意が必要です。
干すときには、形を崩さないためにも着物専用のハンガー(肩と袖をまっすぐに吊るすことができるハンガー)をお使いになることをおすすめします。
時間は、一般的には午前から午後にかけての数時間が目安になろうかと思いますが、着用された時間、季節、干される場所にもよりますので、あくまでもそれぞれでご判断くださいませ。
長く干し続けるのは着物の型崩れの原因にもなりますので、お気をつけください。湿気に対するケアがないと、のちのちにカビや変色が発生する可能性が増します(カビや変色は別の原因で起きるケースもあります)。
<写真>腕が2段階で伸縮する着物ハンガー。帯掛けも付いています。着物ハンガー2,420円(高島屋) ※価格はすべて税込み
収納された後も、できるだけ湿気を避ける工夫をされることが大切です。着物を大切にしまわれることも大事ですが、その後お召しになる機会がない場合でも、定期的に収納から出して、陰干しをされてはいかがでしょうか。
昔から「虫干し」という言葉があるように、収納しているものを干して湿気を取り除くことは、カビや虫から大切なものをまもるための知恵のひとつですが、着物の場合には、このメンテナンス的な意味合いとともに、染織品としての美しさや価値を感じる、あるいは思い出を共有するひとときとして、素敵な時間になるようにも思います。
虫干しはカラリと晴れて湿気の少ない時季に行うのがおすすめです。
<写真>防虫・防カビ効果のあるシートタイプの乾燥剤を抽斗(ひきだし)に入れるとよいでしょう。虫干しはカラリと晴れて湿気の少ない時季に行うのがおすすめです。着物用乾燥剤「きものの友」1,100円(高島屋)