建築家が手がけた佐賀のニュースポット3選【佐賀シティガイド】
〈PHANTOM〉が農村に点在する豚舎の外観イメージを残したように、〈MILKBREW COFFEE〉も嬉野市役所近くの塩田津・旧長崎街道沿いの景観を壊さないよう、約170年前に建てられた蔵の外観を保存して内部をリノベーションした。
「ミルクとコーヒーが相互にリスペクトして調和するのが〈MILKBREW COFFEE〉の世界観です。カフェスペースと厨房のラボスペースがゆったりとした空間になったことで、そのことが表現できたと思います」と、中島さん。
2021年8月のオープン以来、平日も開店直後から忙しく客を迎え入れるこのカフェが、江戸時代からの街並みにフレッシュな活気をもたらしている。
佐賀県嬉野市塩田町馬場下甲727。TEL 080 3221 0871。10時~16時(土曜・日曜・祝日~17時)。月曜・火曜休。
唐津出身の建築家・辰野金吾設計の〈武雄温泉新館及び楼門〉のすぐ側に、店を構える〈佐嘉平川屋 武雄温泉本店〉。2022年9月にオープンした創業70年以上を誇る豆腐店の新店舗は、芦沢啓治が手がけた。エントランスはカフェ&ショップとして、豆乳を使用したパフェやソフトクリーム、お土産用の豆腐を販売。店内奥と2階はレストランとなっており、温泉湯豆腐のコース料理を楽しむことができる。
「佐賀は大豆がよく取れて、豆腐文化も根付いています。ただ、それが全国になかなか浸透していない……。そのための発信地として、地域性に特化したこの店舗を作りました」と話すのは平川大計社長。その言葉通り、豆腐の材料はもちろん、店内の家具や器も佐賀のものを使用している。