藤本壮介が設計した太宰府天満宮の「仮殿」が完成。御帳と几帳のデザインはMame Kurogouchi。
藤本壮介建築設計事務所がデザイン・設計した仮殿は、天満宮が紡いできた1100年以上の歴史と伝統を未来につなげることを意識し、御本殿を踏襲した伝統的な造りと現代的なデザイン性の共存が目指された。印象的である屋根の上の植物には、天満宮の花守たちによって境内地で育てられた梅も含まれている。周辺の環境と共に、季節や天候によって様々な移ろいを見せ、訪れるたびに新しい姿を見せることになりそうだ。
藤本のコメントは以下。
「設計の依頼をいただいてから2年以上の時を経ての仮殿の完成となります。太宰府天満宮の持つ長い歴史と伝統を受け止めることから始まり、現状案にたどり着くまでに様々な検討を積み重ねていきました。
1100年以上の歴史に現代建築が応えられるのかという大きな問いを前にして、自分の持つ全てを振り絞って設計にあたりました。
3年という限られた期間ではありますが、道真公のための森のような屋根を通じて飛梅伝説や歴史と繋がったり、美しく豊かな自然を感じたり、ここに訪れる多くの人々の記憶に強く残るような、風景になればと思っています」。