「幻の大仏鉄道」たどる 京都でウォーキングイベント開催

大仏鉄道や市の魅力について知ってほしいと、市観光協会が初めて企画した。イベントは、JR木津駅から加茂駅近くの市観光案内所までの約6キロのコースに設定された4カ所のチェックポイントを通過する際に、鉄道愛好家らでつくる大仏鉄道研究会会員によるガイドを受ける仕組み。
参加者らは青空の下で、トンネル跡や橋台など約120年前にあった鉄道の面影を感じながら歩いていた。家族4人で参加した京田辺市の自営業、西嶋亮治さん(61)と妻のるいさん(37)は、「大仏鉄道の歴史を知らなかったため、新鮮で楽しかった。自然豊かな道に癒やされた」と満足そうに話した。
大仏鉄道は、現在のJR関西線の前身で明治時代に「5大私鉄」の一つとされた関西鉄道が運行。奈良・東大寺に向かう参拝客を乗せた英国製の赤い蒸気機関車が人気だったが、急勾配の路線だったことなどが課題だった。平坦(へいたん)な路線が開通したため乗客が減少し、わずか9年で廃止された。(太田優)