ボスコ・ソディの現在地をたどる。SCAI THE BATHHOUSEでの5年ぶりの個展「GALAXY」が開催へ
。その個展「GALAXY」が9月16日~11月5日の会期でSCAI THE BATHHOUSEにて開催される。
ソディは1970年メキシコシティ生まれ。化学工学と絵画を学んだのち、バルセロナに移住。その後、素材のひび割れを特徴とする制作方法を確立し、以後はベルリン、ニューヨーク、メキシコシティに拠点を広げ現在に至る。展覧会が開催される土地の風土と気候を作品に反映させるサイトスペシフィックな制作手法も特徴的だ。
2014年には、安藤忠雄設計によるカサワビ基金をメキシコ・オアハカ州に建設し、アーティストのためのレジデンシーや地元コミュニティとの美術教育を目的とした多目的スペースとしてオープン。22年にはニューヨーク郊外のモンティチェロにノンプロフィットのアートスペース「ASSEMBLY」をオープンする。
近年の主な展覧会には、「Origen」(ハーバード大学美術館、ボストン、2023)、「ミラノ・トリエンナーレ、Unknown
Unknown」(ミラノ、2022)、「Museum od
Stones」(イサム・ノグチミュージアム、ニューヨーク、2015)などがある。昨年ヴェネチア・ビエンナーレと同時期に開催された個展「What goes
around comes around」(Palazzo Vendramin
Grimani、ヴェネチア、2022)では、観客との対話を促す粘土のインスタレーションや、ルネサンス期のイタリアを席捲した洋紅のルーツに着眼した新作群で話題を呼んだ。
SCAI THE
BATHHOUSEでは5年ぶりの個展となる本展は、新作群の発表とともに、近年のソディの取り組みを包括し、次なる展望を見通す統括的な展示となる。おが屑と他素材を調合した独自のメディウムを表面に施し、乾く過程で表面に生じたひび割れをも自然のジェスチャーとして包摂した紫が印象的な絵画作品から、直径およそ80センチにも達する粘土の球体の表面に金の釉薬が施された立体作品、麻袋に描かれたペインティングの連作など、生の素材が神聖さを帯びる瞬間が描き出すソディのギャラクシーを堪能できる機会だ。