話題沸騰〈東急歌舞伎町タワー〉内に設置された現代アートを徹底案内!
このビルでは写真や映像を含む26組の作家がアートを設置している。ビルが大きい分、作品もダイナミックなものが多い。中でも17階のレストランの吹き抜けに設置された西野達《新宿》は圧巻だ。敷地近くに立っていた街灯、新宿区役所や紀伊國屋書店で使われていた家具、新宿に関する書籍などが積み上げられ、天井から下がる。旅行カバンは旅や宿からの着想だ。
「江戸時代の宿場開設に始まる新宿の歴史は、旅籠や遊郭や茶屋から始まる。形態は変われども300年以上も歓楽街としての独自性を保ちながら発展してきたこの地区に俺は興味を持ち、それをテーマにすることにしたんだ。結局重量1トンの歴史になってしまったけどね」(西野達)
新宿は水と縁の深い場所だ。〈BELLUSTAR TOKYO, A Pan Pacific Hotel〉46階のペントハウス宿泊者専用ラウンジには、青木野枝の《空の光》と題された作品が設置されている。鉄の輪とアンティークガラスで作られた、水の粒を思わせるオブジェだ。
「昼間に陽の光が入ると、壁にアンティークガラスの色が映る。その色合いに自分でもびっくりしました。金色のガラスが陽光を受けてきらめく水玉のようにも見えて」(青木野枝)
39~44階のエレベーターホールには《水の光》が設置された。こちらも水に宿る光をそのまま結晶化させたようだ。微妙に色合いの異なるアンティークガラスは見る角度によって表情を変える。