ウクライナのデザイナーに仕事を 京都の工芸技術で商品化10種
企画したのは京都市在住のデザイナー、福定良佑さん(42)。ロシアの侵攻が始まって間もない3月ごろ、以前から仕事で交流のあったウクライナの東部ドニプロにあるデザイン事務所「スボヤスタジオ」から「デザインの仕事はないか」と打診があった。事務所では侵攻前、16人がインテリアのデザインなどを手がけていたが、最近は紛争の影響で仕事の発注が減っているという。国外に避難したデザイナーもいる。
「仕事を続けて国を守りたい」というデザイナーたちを応援したいと感じた福定さんは、地元の企業に協力を依頼。呼びかけに応じた6社が花瓶や風呂敷、がま口などのデザインを依頼し、メールやオンライン会議システムを通じてやりとりを重ねてきた。
「漆まめさら」は黄色の豆皿に、ウクライナで伝統的に用いられる世界樹と鳥の柄をあしらった。「モタンカこけし」はウクライナに伝わるお守り「モタンカ人形」からヒントを得た商品。人形は糸で十字に結ばれた顔が特徴で、こけしの顔にも目や口の代わりに十字のデザインを施した。
福定さんは「それぞれに異なるエピソードがあり、他にはないコラボ商品が誕生した。ぜひ手に取ってみてほしい」と話している。
クラウドファンディング(https://readyfor.jp/projects/UDKC)は10月31日までで、それ以降は商品によって各社が個別で販売する。【宮川佐知子】