いじめ61万5千件で過去最多 不登校は24万人超 文科省調査
小中高校から報告された自殺者は、過去最多だった前年度比で47人少ない368人。小・中学校の不登校児童生徒数は過去最多の24万4940人(前年度比4万8813人増)だった。
3年度のいじめ認知件数は調査開始後初めて60万件を超えた元年度比で2855件多い。いじめ防止対策推進法施行(平成25年)により、いじめ認知件数は増加を続けてきた。法施行前には把握できなかったいじめが表面化したためとされる。今回調査での反転と大幅増は、日常生活が戻りつつある中で増加ペースがもとに戻った側面がある。
一方、学校内外での活動制限は今もあらゆる場面で継続。特に修学旅行などの集団活動は、コロナ禍前に比べて少ない。文科省は「人間関係をつくる活動が十分に行えず、関係構築がうまくいっていない」ことで、いじめなど各指標の増加につながったとみる。
不登校増加に関しては、2年度の一斉休校などの影響もあり、学校を休むことへの児童生徒にとっての心理的ハードルが以前に比べて下がった可能性もある。また、不登校に含まれていない新型コロナへの感染を避けるため長期欠席した小中高校生は、2年度は約3万人いたが、3年度は大きく増え7万人を超えた。