立民のスピーキングテスト条例案に保護者困惑も 都議会開会
立民が問題視しているスピーキングテストは、今年11月、中学3年生約8万人を対象に実施される。結果はA(20点)からF(0点)の6ランクで評価。来春の都立高入試では、学力検査の得点(700点満点)と調査書点(300点満点)に加えた得点で、合否が判定される。
スピーキングテストの導入は、都教委の有識者会議が平成28年9月に提言した。今年11月のテストでは、受験生がタブレット端末の問題に解答し、録音された音声がフィリピンで採点される。病気などで欠席した場合、入試の英語学力検査の成績に基づき点数を算出する。
これに対し、立民は「採点者によって判定にばらつきが出る。公平性の確保が難しい」などとして、テストを合否判定に活用しないよう求める条例案を提出する意向。採決の行方とともに、知事与党の都民ファーストの会に所属しながら条例案に賛意を示している一部都議の動向に注目が集まっている。
一方、試験実施目前の都議会内での議論に対し、保護者からは「テスト対策に時間もコストも割いてきたのが今の中学3年生だ。動揺しないはずがない」「受験で神経が過敏になっている中、不要な不安感をいっそう募らせる」などの声も上がっている。
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都議会第3回定例会が20日開会し、都は新型コロナウイルス感染対策や、物価高騰に伴う医療施設への支援事業を盛り込んだ総額6029億円の補正予算案をはじめとする計32議案などを提出した。小池百合子知事は所信表明で「社会の基礎的機能を止めない財政支援を行う」と訴えた。
小池氏は感染による重症化リスクの高い高齢者への対策強化にむけ、介護度の高い人も受け入れ可能な医療施設を開設し、「医療と介護の一体的実施を図りながら救急要請にも対応する」などと述べた。
また「長期化する燃料費高騰対策も急務」と指摘。検討を進める新築一戸建て住宅などへの太陽光パネル設置義務化について「脱炭素化の追求がエネルギー安全保障を支える要諦。初期費用や付帯設備の更新費用の軽減、アフターフォローやリサイクルの促進などの検討を深める」とした。
会期は10月7日まで。9月28日に代表質問、29日に一般質問が行われる。
(植木裕香子)