海棲哺乳類に岩石!? 〈国立科学博物館〉と〈サンゲツ〉がつくった壁紙が話題です。
インテリア商材を中心に扱い、デザイナーとコラボレーションする商品も多い〈サンゲツ〉。今、「人が幸せになれる体験に価値がある。あらためて人々が驚き、喜び、ワクワクする体験ができる壁紙がつくりたい」という同社の想いから生まれた楽しい壁紙が話題を集めている。
《DAY AND NIGHT SCIENCE MUSEUM》と題されたこのコレクションは、上野の国立科学博物館の貴重な標本・資料を素材に、研究者監修のもと、”四六時中・サイエンスミュージアム”をテーマにデザイン。パターンは4つ。日本近海に生息するクジラやイルカを1/50スケールで表現した「WHALES AND DOLPHINES」、同館に展示されているヨーロッパバイソンやアフリカスイギュウなどの陸上動物の剥製をもとにデザインした「BEASTS」、明治時代から収集されたおし葉標本をもとに作られた「PLANTS」、日本に存在する多様な岩石をモチーフにした「ROCKS」。各々の分野のスペシャリストたちが真剣に取り組み、選び抜いた資料からデザインされている。
例えば「ROCKS」を監修したのは、国立科学博物館の地学研究部、鉱物科研究グループに所属する佐野貴司さん。岩石を選んだ基準は、まず日本で採れるものであること。そして、海や湖の底で泥などが溜まり、長い年月をかけて固まった「珪藻土」などの「堆積岩」、マグマが固まって形成される「はんれい岩」などの「火成岩」、そして、地下深いところでもともと堆積岩だったものに圧力がかかって違う石となった「変成岩」という、3種類の岩石すべてが入るようにチョイスしたという。岩石とともに名称と採石地点が記されているのも、国立科学博物館らしくユニークだ。
実際に博物館の中にいるような体験ができる!? 愉快な壁は、きっと趣味部屋にも子供部屋にもマッチする。そしてこれをきっかけに知的好奇心が刺激され、読書が捗る……なんて効果もありそうだ。