ハンセン病患者が掘った道を作品に…大島で「瀬戸芸」の新作お披露目 島の歴史を伝える【香川発】
香川県高松市の高松港から船で約30分の「大島」。国立ハンセン病療養所大島青松園があり、島全体が入所者の生活の場となっている。
夏会期ではハンセン病と島の歴史をテーマに、3つの新作を含む13の作品が展示されている。
河野有紀記者:
夏会期から登場する新作の1つ。「声の楔」という作品です
今はまだ製作途中だが、完成した作品では、島で生きてきた人たちの肉声を聞くことができる。
一方、こちらは「リングワンデルング」という作品。
リングワンデルングとは、ドイツ語で円を描くように同じ所をぐるぐる歩き回るという意味で、かつて若いハンセン病患者が自力で掘った道を、アーティストの鴻池朋子さんが作品として整備した。
前回の瀬戸芸でも展示されていたが、今回は新たに海に続く石段を加えた。
鴻池朋子さん:
円で生態系が閉じるというのは、嘘っぽいなと思っていた。そこにその人なりの”抜け道”があるのが、生きていくために重要なことだと思う
風化させてはならない歴史を伝える作品の数々。瀬戸芸の夏会期は8月5日から始まる。
(岡山放送)