米「原爆の父」の伝記映画公開 広島・長崎の惨禍、描写なく
映画は約3時間の大作で、西部ニューメキシコ州で初の核実験に至る経緯を再現。オッペンハイマーが広島への原爆投下をラジオ放送で知り、その後に被爆地の実態を聞いて苦しむ様子が描かれた。責任を感じて水爆の開発に反対し、ソ連のスパイ疑惑で国家機密に関わる資格を剥奪された。
ニューヨークで鑑賞した中学校教諭ジェームズ・ドラムグールさん(41)は「多くの命を奪ったことを自覚させるシーンがあり、原爆の犠牲者への敬意も感じられた」と語った。娘のエミリーさん(13)は「ドイツと日本に勝つことだけを考え、被害を深く考えていなかった様子が印象的だった」と話した。