パテック フィリップ「ノーチラス」からよりラグジュアリーな新作が登場
パテック フィリップのコレクションのなかでも、特に人気の高い「ノーチラス」から新作が登場した。
「5712/1 ムーンフェイズ」がそれで、舷窓からからインスピレーションを得た伝統のケースにローズゴールドを採用。水平エンボス加工が施されたダイヤルは、外周部がブラックで中心部に近づくにつれ色合いがブラウンへと少しずつ変化する、ブラック・グラデーション仕様となっている。
そのダイヤルには通常の時分針に加え、スモールセコンド、指針のデイト表示、パワーリザーブ表示、そして、ムーンフェイズが配置されているのだ。
このモデルの目玉はその名にあるように、やはりムーンフェイズだろう。この機構を簡単に説明したい。
まず、知っておきたいのが月の公転に要する1カ月という時間の単位である。腕時計の場合、それを朔望月(さくぼうげつ)というもので表現している。これは月の合から合までの時間の長さのこと。合とは、月と地球と太陽が直列することで、一般的には新月と呼ばれている状態である。つまり、新月から次の新月までを1周=1月と考えるのである。
朔望月は、29.530589日で1周する。ムーンフェイズ機構では、これを29.5日として表現される。そしてムーンダイヤルには、満月が2つ描かれ、59日で1周することになっているのだ。
日本では明治5(1872)年まで、月の運行を基にした太陰太陽暦が用いられていたため、月は比較的身近な存在でもある。それは月見などの行事や月にまつわる言葉が、数多く残されていることでもよくわかるだろう。
実際に、潮の干満がわかるので、海釣りには必要な機能であるし、服飾関係の人々にとっても、日本独自の四季の移り変わりを察知するために、月齢による周期は重要なものだということである。
また、地球上の生物の交配期や産卵期は、月齢を基準周期にしているといわれており、ムーンフェイズが刻むリズムは、人間にとって欠かせないものでもあるのだ。
そんなムーンフェイズを含め多くの機能を載せながら、装着感もいいのがこのモデルの素晴らしさ。それは自動巻きムーブメントを、厚さ8.52mmの薄型ケースに収めた技術によるところが大きい。
近年、時計界ではラグジュアリースポーツウォッチ(ラグスポ)が大人気である。そして、ラグジュアリーの条件には、やはり薄型であることが欠かせない。複数機構搭載でそれをクリアしたのが「ノーチラス」だ。さすが、ラグスポのトップ・オブ・トップである。
ムーブメント|自動巻き Cal.240 PS IRM C LU
ケース素材|18Kローズゴールド
ケース径|40mm(10-4時方向)
価格|¥11132000
問い合わせ|パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター 03-3255-8109