『菅直人氏のツイートに維新が抗議文の過剰反応 「ヒトラーの大衆扇動術」読んで実践?(ラサール石井)』へのみんなの感想まとめ
菅直人氏がツイッターで橋下徹氏を筆頭に、維新政治のことを〈弁舌の巧みさでは(中略)ヒットラーを思い起こす〉と書いたことに、維新が大反発している。
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文脈を見れば菅氏は弁舌の巧みさを褒める意味でヒトラーを用いていて、いわゆる褒め殺し的に使っているわけだが、橋下氏は〈ヒットラーへ重ね合わす批判は国際的にはご法度〉とさらりと言って〈お褒めの言葉と受けっておく〉と軽くいなした。いつもの罵詈雑言から比べたらかなりソフトな対応で問題にもならないと思いきや、維新の吉村氏や松井氏が大激怒。ヒトラーに例えるとは侮辱だ、看過できないと立憲民主党に正式に抗議するという事態にまで発展した。
そこまで気にする? どうも過剰反応のような気がするがいかがなものか。
何よりまず橋下氏がさらりと言った〈ヒットラーへ重ね合わす批判は国際的にはご法度〉という件。過去に高須院長がヒトラーを礼賛したり、麻生太郎氏が「ヒトラーの手法を真似たらどうか」と言ったのは問題があり、欧米なら相当な批判を呼んだだろう。それはヒトラーを肯定的に捉えているからであって、ヒトラー的な政治家や手法に警鐘を鳴らすために、ヒトラーを例に出すのは、別にご法度でもなんでもない。
誰かが「ヒトラーを思い起こす」で検索したら、世界中で相当数ヒットしたらしい。当たり前だ。否定的に使うことが禁じられていたら、過去の反省から警鐘を鳴らすことはできない。
こういうあやふやなことをさも本当のようにサラリと前提にするところが、橋下流ディベートテクニックである。
「ヒトラーの大衆扇動術」という箇条書きの要約がネット上によく上がっている。元ネタは許成準著「ヒトラーの大衆扇動術」(彩図社)であると思うが、そこにはまずこう書かれている。
「人は小さな嘘より大きな嘘に騙される」
「貧乏な者、病んでいる者、困窮している者ほど騙されやすい」
それにしてももとは菅氏の個人的な呟き。立憲民主党全体に噛み付くのはお門違いのような気もするが。
「共通の敵をつくり大衆を団結させよ」
「敵の悪を拡大して伝え大衆を怒らせろ」
またこのことを、在阪のテレビに出演して声高に叫ぶのだろうか。
「宣伝を総合芸術に仕立て上げろ。大衆の視覚聴覚を刺激して感性で圧倒しろ」
あれ。菅氏ならずとも、私も「?」と思ってしまった。
ちなみに前述の本。ヒトラーの否定的研究本だと思ったら、その心理的操作術を身につけて上司とかに使おうというビジネス本だった。なんだみんなこれ読んで実践してたのか。
(ラサール石井/タレント)