名和晃平の過去最大級の新作彫刻《Ether(Equality)》。フランス・セーヌ川で6月末披露へ
ジャン・ヌーヴェルや坂茂といった世界的建築家を招いた大規模な再開発が進む、セーヌ川の島・セガン島。その再開発の一環として2019年、「égalité(平等)」をテーマとした大型モニュメントの国際コンペティションが開催された。名和は、フランスのデジタルアートを牽引するDANAE.IOとタッグを組み《Ether(Equality))》を提案し、世界中から集まった35作品のなかから見事選出。コロナ禍の中での制作進行という困難を乗り越え、いよいよ6月28日に披露される。
《Ether(Equality)》は高さ25mを誇り、数ある名和の彫刻作品の中でも最大級。《Ether》は名和が継続的に手がけるこの彫刻シリーズでもあり、地面に落下する水滴のフォルムを観察し、そのシルエットを上下反転させながらランダムに積み重ねることでかたち作られている。薄いシルバーピンクに輝くステンレスの彫刻は十二角形をベースとした多面体で構成。背後に建つ2017年に竣工の坂茂建築、ラ・セーヌ・ミュジカルの多面球ドームと呼応するようにそびえ立ち、新たなランドマークのひとつになることを予感させる。