板谷波山の生涯、漫画に 陶芸家初の文化勲章受賞者、茨城の有志企画
完成したのはA4判34ページの「マンガ板谷波山―故郷を愛した陶芸家」。石川県工業学校の教師を経て陶芸家として独立、苦しい生活を送りながらも、大成するまでを描いた。
無名時代、まきが足りずに自宅の雨戸を燃やした逸話も劇的に描写。一方で、東京都北区で陶芸家として名を成しながらも、地元下館の老人向けに、陶製の握りを付けた「鳩杖」を20年近くにわたって贈り続けた愛郷心も伝えている。
プロジェクトは「地元の偉人を子どもたちに知らせたい」と2013年12月に旗揚げ。資料集めや取材を重ね、8年がかりで出版にこぎつけた。グループ代表の水柿貴之さん(49)は「鳩杖も波山の郷土愛と人間愛から。没後60年近い波山をあらためて知り、誇ってほしい」と話す。
8日には市教委に見本を寄贈。受け取った小室高志教育長は「地域愛なども含め、素晴らしい教材になる」と感謝した。計1000部発行する漫画は非売品で、小中学校や市内の図書館に配置される。