キリンもタケノコも自由に 知的障害者の「生の芸術」 熊本で絵画展
施設では2009年から、正規の美術教育を受けていない人が自発的に生み出す「アール・ブリュット」(生の芸術)と呼ばれる芸術活動に取り組んでいる。現在は入所者ら7人が画家として制作を続け、今回初めて展示会を企画した。
会場には、クレヨンやアクリル絵の具で描かれた色彩豊かな作品37点を展示。1日のオープニング式典で、施設の芸術活動を支援するキュレーターの蔵座江美さんは「本来の絵の楽しみ方を気づかせてくれるような作品ばかりで、施設でこうした芸術分野の取り組みが広がってほしい」と話した。
19年に日本財団の公募展で佳作に選ばれた入所者の菊川豊さん(77)は「昔よく飲みに行っていた思い出の場所」という大阪市の繁華街で出会った「クラブのママ」を緑や紫のクレヨンの深い色で表現。「絵を描くことは夢があってわくわくする」と語った。
午前10時~午後3時。入場無料。【山口桂子】