13歳の仲邑菫二段、最年少タイトルへあと1勝、囲碁扇興杯で藤沢三冠撃破
すべての女性棋士が参加できる女流5棋戦のうち3つを保持する第一人者の藤沢扇興杯と仲邑二段が戦うのは、4月にあった第33期女流名人戦三番勝負以来。そのときは藤沢扇興杯が、タイトル初挑戦の仲邑二段を2連勝で破り、5連覇を達成している。対仲邑戦4局目で敗れた藤沢扇興杯は「ずっと細かい形勢ながら悲観していた。残念です」と話し、仲邑二段については「女流名人戦に出てくるほどなので強い相手。対等の立場と思って対局していた」と成長を認めていた。
予選を勝ち抜くなどした16人がトーナメント形式で争う扇興杯の本戦で仲邑二段は、同期入段の高雄茉莉(たかお・まり)初段(21)と大澤奈留美五段(46)に勝利し4強入りしていた。
中10日で異例対局
仲邑二段は今月6日から18日まで、中国の女子団体リーグ戦にインターネットを利用して参加する予定だった。しかし、中国国内の選手の対局場として設定されていた江蘇省で新型コロナウイルス感染が拡大したため、直前になってリーグ戦自体が延期に。世界各国の強豪が集うリーグ参戦を優先した仲邑二段はこの間、予定されていた国内棋戦も取りやめになったため、この日が今月4日以来の対局だった。昨年は61局、今年もすでに36局打っている仲邑二段にとって、〝中10日〟は異例の間隔だったが「あまり気にはならなかった」と涼しい顔。
囲碁界のこれまでの最年少タイトルは平成26年、藤沢二段(当時)が15歳9カ月で会津中央病院杯を制したものだった。その藤沢を破って、13歳4カ月での優勝がかかる仲邑二段は 「(タイトルを)取ってから(コメントは)考えます」と取材陣をケムにまいていた。
準決勝のもう1局は牛四段が上野愛咲美(あさみ)女流立葵杯(20)=女流棋聖=に黒番中押し勝ちした。プロ8年目で初タイトルがかかる牛四段は「4年前も決勝に進んだ相性のよい棋戦。相手は強いけど全力で戦います」と話した。