奈良美智のオーストラリア初個展がパースで開催。2011年以降の彫刻作品を中心に展示
Can't」が、パースにある西オーストラリア州立美術館(Art Gallery of Western
Australia、AGWA)で開催される。会期は2月26日~6月25日。
アジアの現代アートの実践や文化的思考と西オーストラリア州とのつながりを深めるという同館の取り組みの一環として開催される本展では、2011年以降に制作された奈良の彫刻作品を中心に、絵画、ドローイング、陶芸、写真作品を展示する。
奈良は、2011年東日本大震災の壊滅的な影響を受け、ふたたび立体作品の制作に目を向けるようになった。本展では、こうした彫刻作品を様々な感情状態に応じた一連の島々のようなかたちで展示。また、これらの作品と呼応するようにドローイング、絵画、陶磁器なども展示し、彫刻作品や奈良が数十年にわたって取り組んできたテーマとの関連性を示すという。
同館館長のコリン・ウォーカーは声明文で次のようにコメントしている。「奈良の作品は、深刻な問題への取り組みから生まれたものだが、つねに一種の気まぐれな希望や、決してコントロールできない世界に生きているという彼の感受性からくる、優しい謙虚さに満ちている。この展覧会の深く、大規模な詩的考察が、オーストラリア全土の観客の心に響くことを確信している」。